OLYMPUS XA
 オリンパスの傑作、カプセル、ケ−スレスカメラ

絞り優先、マニュアル可、距離計連動、露出補正可、ケ−スレス
このカメラを設計したのはもちろん米谷美久氏。このカメラの試作品が完成したとき、社内の座談会に引っ張り出された米谷氏、手ぶらで入ってきた米谷氏を見て、「どうしてカメラを持ってこなかったんだ?」と言ったら、さっとポケットからXAを出したという話は有名である。

カメラは小さければ小さいほどいいと言う米谷氏は、ご自身がアマチュアカメラマンであったこともあって、常に使う人の立場を優先してカメラ設計をしている。OMシリ−ズはもちろんだが、このXAもその発想で考えている。
小さくなってポケットに入るカメラ、しかしファインダ−やレンズにごみが入るとまずい。ところがケ−スに入れてしまうと、ポケットの中というわけにはいかない。じゃどうすればいいか?
ここが発想の原点である。そしたらレンズとファインダ−を蓋で覆ってしまえばいい。だけどレンズキャップとかを無くしたら困る。それじゃスライド式の蓋をつけよう。これなら無くす心配もない。
そうするとレンズが出っ張っているのが邪魔になる。それでは出っ張らない薄いレンズを開発しよう。
なんてことを考えたんじゃないかと思う。
実際XAの35mmレンズは新設計で非常に薄い。ボディに合わせてレンズを設計する、こんなことはカメラ史上、XAが初めてではないだろうか。

みのかんのXA
これほど趣味性の高いカメラは他にあっただろうか。こんな小さなカメラのくせに絞り優先ですべてのデ−タがはっきりわかり、露出補正ができて、距離計連動である。
とにかく大好きなカメラでかれこれ10年以上はいつも持ち歩いている。メインカメラであったりサブカメラであったりするが、カメラバックの片隅にいつも入っている。

描写は周辺で流れると言うが、僕はそんな事を意識した事がない。そもそもいい写真というものは、そんなことを考えさせないものである。それと周辺光量不足もよく問題にされるが、モノクロを焼く時は、周囲を焼きこんだりする事を考えるとむしろ僕には都合がいい。
レンズの描写のことをああだこうだと言う人がいるが、僕はあまり気にしない。気にするのは写真の内容である。単純な話だが、第三者が見て面白いか面白くないかと言うだけの事だと思う。
そんな点でいえば、コンパクトカメラで撮ろうが一眼レフの高いレンズで撮ろうが、結果は同じだと思う。

話がついそれてしまったが、ストロボの取り外しができるのも非常に便利である。これは要らない時ははずせばいいし、必要な時はつければいい。今時のAFプラカメコンパクトは最初がオ−トで低輝度自動発光のものがほとんどである。あれは余計なおせっかいである。ストロボというものは基本的には被写体にとって失礼なものである。それが勝手に光るなんてもっと失礼である。
その点でこのXAは撮影者の意思がしっかりし反映できるし、ストロボは付属品という発想は、やはり米谷氏の設計したカメラだと感心してしまう。

僕のXAは多少改造してある。改造といっても貼り皮を貼っただけであるが、右手のあたる前面と後面にすべ止めを貼り、シャッタ−ボタンのところにもラバ−の小さいのを貼ってある。これで抜群に使い易いXAとなっている。

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